80年代のある時。
有名なギター・ビルダーが、ロサンゼルスにある5150スタジオを訪れた。
ちょうどスタジオでは、Van Halenがセッション中だった。
スタジオから漏れてくる、エディの素晴らしい「ブラウンサウンド」を耳にして、
そのギター・ビルダーは、いったいどんなギターを使ったら、
あんなに素晴らしいサウンドが出るのだろう、と、非常に楽しみにしてスタジオのドアを開けた。
すると、エディが持っていたのは、ただのスタインバーガーだった。
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とある高名なギタリスト氏によれば、
世の中ではエディ・ヴァン・ヘイレンのシグネイチャーアンプといえばPEAVYの5150だが、
実際には、「エディモデルのアンプなど、どのメーカーからも出ている」らしい。
「だってSoldanoもBognerも、あのエディのブラウンサウンドを目指して、アンプ作り始めたんだから」、
初期VanHalenの、あのサウンドは、それくらい、ギターシーンを変えてしまったし、
それはアンプ作りの世界においても同様なのだ。
あのブラウンサウンドを意識したアンプは、それこそ、各アンプメーカーにおいて、作られているのだと。
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スティーヴ・スティーブンスが、Van Halenと共演したとき、
サウンドチェックのときに、エディのギターを弾かせてもらった。
「やった、エディの機材で弾ける」そう思った彼だが、スピーカーから出てきたのは、
エディとは似ても似つかない、自分の音だった。
この種のエピソードは限りがなく、上記のテッド・ニュージェントを始めとして、
ヌーノ・ベッテンコートなどの多くのギタリストが、同じ体験をし、同じように落胆を味わっている。
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